2022/07/28 16:35
夏本番を迎えています。
今年はコロナもある程度落ち着いてきたということで、各地で花火大会や夏祭りが行われるというニュースを耳にします。夏に着そびれた、箪笥の中のゆかたを着るチャンスがやっと巡ってきたのではないでしょうか?
さて、ゆかたはどのようにして生まれてきたのでしょうか?
ゆかたの語源は「湯帷子(ゆかたびら)」からきています。古代の日本の入浴は蒸気浴と言って、湯を沸かした蒸気を浴びるというものでした。今でいうサウナのような仕組みです。
ちなみに京都にある「八瀬の釜風呂」といわれる史跡は約1400年前の飛鳥時代のものと推定されており、日本最古の風呂跡です。
その蒸気浴した際に江戸時代初期までは帷子(かたびら)という麻素材の薄衣を着用していました。その後江戸時代中期になって入浴方法が現在のような湯に浸かる「湯浴み」という風習になり、裸で湯に浸かり、風呂上がりに吸水性の良い木綿素材の帷子を着るようになってから、それを湯帷子と呼ばれるようになりました。
風通しがよく、汗を吸ってくれる木綿の湯帷子は重宝し、風呂上がりの湯ざましの街着としても着られるようになり、その後歌舞伎役者などが屋号を柄にした浴衣を作り、一気に普及していきます。
江戸後期には浴衣にも繊細な型染がなされ、「長板中型」として大流行しました。その後、注染、ろうけつ染め、絞り染め、そして現代のデジタル捺染といわれる染めで、色とりどりの華やかなゆかたへと進化し、日本の夏を彩る衣服となったのです。
暑い日がまだまだ続きますが、たまにはゆかたを着て夏の特別な1日を過ごして見てはいかがでしょうか?